ATARIYAがオープンしてちょうど一年となる、2023年1月11日。
ものをたどる旅「TRACE THE TANGO」を開催しました。
地域おこし協力隊として与謝野町に移住し、自らも織機で作品を制作しているPARANOMAD・原田美帆さんの協力を得て、「もの」が生まれる過程を体験するこのプログラム。
その第一弾は、ATARIYAのオリジナルスツール「UAスツール」の誕生を辿る旅です。
どんよりした曇り空や雪の降る日が多い、丹後の冬。この季節にはめったにない快晴の中、「旅」はスタート。
まず訪れたのは、UAスツールの座面に使われている丹後ちりめんの生産者である宮眞株式会社。
今は生産されていない貴重な生地が集められた一室にお邪魔しました。
色とりどり、様々なデザインの生地が所狭しと棚に並ぶ光景は圧巻。まさに宝の山。
眺めているだけで何時間も過ごせてしまいそうな特別な場所で、丹後ちりめんの歴史や会社の変遷についてお話を聞かせていただいた後は、実際に稼働している織機の見学をさせていただきました。
繊細な何千という糸を扱う現場は、凛とした空気に包まれ、織機の音がテンポよく響く、特別な場所でした。
貴重なお話を伺った後は、小休止のランチタイム。
宮眞さんのある岩滝というエリアから田畑の広がる加悦(かや)エリアへ移動。
ヤマノウエ食堂(加悦山の家 内)は、ジビエを中心とした食事が地元でも大人気のお食事処です。
家族とともに与謝野町にUターンしてきた青木シェフの一皿に込めるお話を聞かせていただきながら、今回の「旅」のために特別に用意していただいたスペシャルランチに舌鼓を打ちました。
また、ヤマノウエ食堂の窓の外には棚田が広がり、季節の移ろいとともに姿を変える原風景を楽しめます。
丹後の山幸・海幸の恵みを堪能した後は、いよいよUAスツールを制作してくださっているアリアソシエイツへ。
美しさ、心地よさを追及し、見えない細部にまでこだわったものづくりについてお伺いできました。そして実際に機械を動かしてスツールができていく過程を説明していただきました。
織物、食、家具、それぞれのものづくりの想いに触れ、短い時間の中でも丹後の奥深さを感じられる時間となりました。
ATARIYAに戻った後は、宮眞さんでいただいた貴重な生地の端切れ、ARIAさんでいただいた木材を使って、参加者全員でフレーム作り。
そして地元で愛されるzarameさんのクッキーを食べながら、1日を振り返りました。
そして初めての「TRACE THE TANGO」は終了となりました。
参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
地域の地場産業であるちりめんを中心に、ものづくりの盛んな丹後の事業者と都市部の企業を繋ぎ、新たなイノベーションが生まれる交流の場をこれからATARIYAは積極的につくっていきたいと思います。